「建物探訪」渡辺篤史さんがお施主さんの立場でいいことを言われています。
家を建てる際の“渡辺五か条”を引用します。
1.いつでもどこでも何にでも、向けておきたい建築の目。
旅先で出会ったタイルの色や手触り、忘れられない映画のあのシーン、実測しちゃったホテルの客室。さまざまな経験を通した「選ぶ目」の獲得が、いい家を作る近道です。
2.あなたも創造者のひとりなのです。
ものを選ぶ目を持つと、住宅に対するイメージも自ずと濃密かつ創造的なものになる。
建築家は敏感にかぎ取り、そのイメージを設計に投入するでしょう。
3.知っておこう、建主と建築家の間に生じる温度差。
片や一生に一度の大ごと、片やクリエイティブとはいえ日々の仕事。そこに温度差が生じるのは、否めない。互いにその点を自覚しつつ、納得いくまで話をしよう。
4.リスクはつきもの、覚悟の上で。
完璧な特注品だから、完成するまで誰も実物を目にすることがない。長いスパンにおいて、何らかの問題は必ず起きるという覚悟をしておきたい。
5.あなたの家は、日本の町並みにつながっている。
たとえればモザイクタイルの1枚なのです。自分の建物なのだから好きなことをしたい、その気持ちをぐっと抑えて「向こう三軒両隣に失礼のないたたずまい」と唱えましょう。
Casa BRUTUS 21世紀・日本の名作住宅 vol.1 より
建築家とご自宅も建てた経験があるとのこと、さすがにいいところをついています。