玄関は、その家の顔であり、来客と対応するスペースでもあります。
しかし昨今、玄関でお客さんにお茶をふるまうかどうかはわかりませんが、接客するような行為は、1年間を通して何回あるかということうを考えると、住宅に玄関という立派な部屋がしっかり確保されていることに疑問を感じてしまうことが時々あります。
ほとんどのお宅で、ただ単に家の出入りに通過するだけの部屋として使われている玄関、その部屋の存在は、無駄と思うのは乱暴過ぎるかもしれませんが、似たような気がしてなりません。納戸にもならないし、書斎にもなりません。
そこで、
囲われた閉鎖的な玄関の存在を、如何に他の部屋と共有することで開放的で明るい空間に出来ないかを良く考えます。
たとえば、玄関を囲っている壁を可動間仕切に設定し、玄関の位置を居間や食堂に開放出来る場所に間取りを工夫します。
普段はその可動間仕切を開放して一体で使えるようにすると、広々とした明るい空間が生まれます。
お客さんの対応時には、可動間仕切をサッと閉めて、直ぐに玄関として早変わりさせます。
私のところでは、このような手法を良くプランに取り入れることが多くなって来ました。
そう考えると、普段、そんなに玄関として鎮座ましまさなくてもよいのではないかと思うことがしばしば。
断っておきますが、家全体に余裕のあるケースはこのようなことをする必要はないですよね。
小さい空間をどうやって広々とさせるか、ということの工夫のひとつです。